File11-M07-社会派ミステリーブログ:その7.深まる闇、探偵ケンタの新たな闘い(ある地方都市にあるうわさのメンズエステ組織を空想科学で推理する)

File11-M07-社会派ミステリーブログ:その7.深まる闇、探偵ケンタの新たな闘い(ある地方都市にあるうわさのメンズエステ組織を空想科学で推理する)

「この街の闇は、俺が思っていたよりも、ずっと深い。だが、もう逃げられない。」

組織犯罪対策課の捜査は、メンズエステ組織の幹部数名を逮捕することで、表向きは一段落した。だが、ケンタの心には拭いきれない疑念が残っていた。逮捕された幹部たちは、まるで事前に示し合わせたかのように、上部組織については一切口を割らなかったのだ。

「俺たちがメンズエステ組織を作り、運営していた。それだけだ。」

彼らはそう言い張り、その背後にある巨大な影の存在を頑なに否定した。結局、今回の逮捕は、組織の「しっぽ切り」に過ぎなかったことをケンタは痛感する。表面上は解散したかに見えた組織だが、その実態は100人以上の規模に上ると推測される。空いた席には瞬く間に新たな幹部が据えられ、組織は依然として安泰なのだ。

この構図を理解した時、ケンタは戦慄した。組織の「上部」には、単なるメンズエステ経営者ではない、より強固な、別の顔を持つ組織が存在する。その上部組織が、末端組織に不足する人員を送り込み、巧みに操っているに違いない。表向きは全く別の活動をしている――例えば、宗教。地方都市には、20数種類もの宗教の拠点が点在しているという情報が、ケンタの脳裏をよぎる。

「宗教二世、三世…そうか、洗脳された子供たちを組織の管理側に置くのか。」

もし親世代が1000人規模であれば、その子供世代は2000人以上にもなる。そして、日本全国、あるいは世界にまで拠点を持つ有名宗教団体も少なくない。その巨大なネットワークが、この地方都市の闇に深く根を張っているとしたら…。それは、想像を絶する規模の犯罪組織となる。

STEP1:深淵を覗くための第一歩

まずは、メンズエステ組織の本体、約100人以上の全容を解明し、その実態を明らかにすること。それがケンタに課せられた最初の使命だった。しかし、組織犯罪対策課の捜査だけでは限界がある。

そこでケンタは、新たな道を模索し始める。

まず、彼はFBI捜査官がスパイを自白させる際に用いるという、3段階の傾聴法を独学で習得した。相手の言葉の裏に隠された真意を読み解く技術は、今後の聞き込みにおいて不可欠だと考えたからだ。

そして、ケンタは過去の捜査で知り合った、一人の老練な探偵の元を訪れた。「先生」と慕うその探偵に師事し、探偵学校で学び、探偵としての認定をもらう。組織犯罪対策課の仕事を続けながら、探偵としてのスキルも同時に磨いていく。

「表の顔は警察官、裏の顔は探偵。二つの顔で、この街の闇を暴く。」

ケンタの新たな闘いが、ここから始まった。足で稼ぐ地道な情報収集、関係者への徹底的な聞き込み、そして培った傾聴の技術で、組織の深部に潜む真実を探り始める。地方都市の闇は、ケンタの新たな探偵としての捜査を、静かに受け入れようとしていた。


この記事は、これでおしまいです。

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