File39-M35_AI08【捜査資料】「自殺」と処理された案件の共通項リスト:遺留品欠如と靴の行方
記事ID: CaseFile_09_List
分類: 捜査資料 / プロファイリング
作成者: 元設計技術者・健太
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■ 序論:思考停止のキーワード「自殺」

旭川周辺で遺体が発見されるたび、警察やメディアは判で押したように「自殺の可能性が高い」「事件性なし」と発表します。
しかし、現場の状況を詳細に分析すると、そこには「自ら命を絶つ者」の行動としてはあまりに不自然な、ある共通した特徴(アノマリー)が存在します。
本稿では、複数の事案に見られる「共通項」をリスト化し、これらが偶然の一致ではなく、特定の組織による「犯行手口(Modus Operandi)」であることを論証します。
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■ 1. 「匿名」の死体:IDとスマホの消失
最も顕著な特徴は、発見時に被害者が「どこの誰か」を即座に特定できる物を所持していないケースが多いことです。
● 遺留品の欠如
通常、自殺者は身元を明らかにするための遺書や、免許証・学生証が入った財布を所持しているケースが一般的です。
しかし、一連の不審死事件では、財布はおろか、スマートフォンさえも見つからない(あるいは破壊されている)事例が散見されます。
● 意図的な「時間稼ぎ」
身元不明の状態が長引けば、初動捜査は遅れます。
これは、被害者が「持っていなかった」のではなく、犯人が「持ち去った」と考えるのが論理的です。
スマホを持ち去る理由は、位置情報(GPSログ)や、直前の通話履歴(呼び出し役とのやり取り)を隠滅するためでしょう。
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■ 2. 「靴」のミステリー
遺体発見現場において、「靴」は雄弁に状況を語ります。
● 揃えられた靴の欺瞞
靴が揃えて置いてある場合、一見すると「入水自殺」の典型に見えます。
しかし、その場所が「普段人が立ち入らない場所」や「冬場の極寒の河川敷」であった場合、そこまで裸足(あるいは靴下)で歩いた痕跡があるかどうかが重要です。
足裏に傷がない、あるいは靴下の汚れが現場の状況と一致しない場合、それは「死後に誰かが靴を置いた(演出した)」証拠となります。
● 片方だけの靴、あるいは消失
逆に、靴が片方しか見つからない、あるいは全く見つからないケース。
これは、拉致・監禁の段階で「逃走防止」のために靴を奪われた可能性を示唆します。
雪道や砂利道において、靴を奪うことは、手錠をかける以上に効果的な拘束手段となります。
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■ 3. 「綺麗な」死体:防御創の不在
これが最大の謎であり、恐怖です。
● 抵抗の痕跡がない
溺死にせよ凍死にせよ、死の直前には本能的な「生への執着」が行動に現れるはずです。
しかし、多くの遺体には、他人と争った際にできる「防御創(腕のひっかき傷や打撲)」が見当たりません。
● 意識の喪失
これは、被害者が川や雪山に入る前に、すでに「抵抗できない状態(意識不明)」であったことを強く示唆します。
薬物反応が出ない場合、以前の記事(CaseFile_02 https://www.kusoukagakusuiri.com/file33-m29_ai02-forensic-considerations-mechanism-of-death-without-trauma-correlation-between-plasma-lighters-and-cardiac-arrest/)で考察した「高電圧デバイスによる瞬間的な気絶・心停止」が、ここでも有力な仮説として浮上します。
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■ 4. 捜査関係者への提言:リストとの照合
現在、未解決あるいは自殺として処理されている案件について、以下のチェックリストと照合してください。
1. 所持品: 財布・スマホ・身分証が現場にあるか?
2. 靴: その位置と状態は、被害者の足取りと物理的に矛盾しないか?
3. 外傷: 争った形跡がないにもかかわらず、不自然な場所で死亡していないか?
これら3つが揃ったとき、それは「自殺」ではなく、極めて計画的な「偽装殺人」です。
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■ 結論
「死人に口なし」と言いますが、遺留品(あるいはその欠如)は真実を語っています。
彼らが奪ったのは、被害者の命だけではありません。
その名前(ID)や、歩んできた証(靴)さえも奪い去り、ただの「物体」として処理しようとする。
その冷徹な手口こそが、彼らが「組織」であることの何よりの証明なのです。

